第2回 てんぷら

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衣に味をつけよく練り混ぜ
粘りを出してから揚げる為に、
どうしても衣が厚くなるが、
冷めてもおいしく食べられる・・・

そんな『長崎てんぷら』は、
普通のソレとは見た目も味も
チョッと異なっていて、
モチっとした食感と、
甘めの味付けが特徴。

長崎で「てんぷら」といえば、
コレのコトとばかり思っていたが、
最近は一般的な「味の付いてない衣」の
てんぷらに押され、
特に若者層にはあまり人気がないらしい。

更に‥、
長崎で「てんぷら」というと、
まったく別の食べ物がある。

筆者が小学生の頃、
友人宅で夕方近くまで遊んで
帰宅しようとすると、
友人のおふくろ様が、
生粋の長崎びとらしく、
「メシば食うて行け!」
と怒鳴るように言うので、
一応、通り一遍の遠慮をしていたが、
「てんぷらば買うて来とるけん!」
のひと言に、
それまでの遠慮をかなぐり捨て、
大喜びで食卓についた。

そしたら、
お膳に乗っていたのは、
「すり身揚げ」だった。

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長崎に限らず、
「すり身揚げ」のコトを、
関西からコッチの人たちは、
「てんぷら」と呼ぶ。

古い長崎びとであれば、
「からあげ」と呼ぶコトもある。
しかし、
久しぶりにご馳走にありつける!
と思って喜んだ「てんぷら」が、
「鰯のかんぼこ」だった時のショック‥。

それから暫くの間は、
「てんぷら」と聞いても、
どのタイプの「てんぷら」を
指して言っているのか、
一々確認していた。

つづく

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