第2回 「不思議な日」 加藤和彦

突然の訃報だった。

ここ数年J-ROCK J-POPの基礎を創造してきた人々が
この世から次々と旅立っていく。大きな宝が失われていく。
ああ、このひともか‥‥‥。

加藤和彦氏の作品では、アルバム「スーパーガス」に収められているこの美しい名曲が最高だとおもっている。

  眠りはいつも   あたたかいもの

  雪はおどけて   街をかくした

      ‥‥‥   ‥‥‥



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1970年富士ゼロックスのテレビCM「モーレツからビューティフルへ」が流れる。加藤和彦がビューティフルとだけ書かれたカードを持ってぶらぶら歩くというただそれだけのコマーシャルだった。サイケ・イエイエ・OHモーレツ!な60年代に別れを告げる、時代の転換期を意図的に表現したCMだった。

時を同じくして彼は「スーパーガス」を発表する。新しい時代の到来を予感させるスロウなアルバムの中にアコースティックな超美しい「不思議な日」はひときわ輝きを放つ。
裏ジャケのミカ夫人とくつろぐ二人の写真がいかにも当時の空気を漂わせている。

クルセダース時代より「悲しくてやりきれない」「イムジン河」といった美しい曲の提供は彼の最も得意とするところで、その後も時代の最先端を捉える感覚と際立った美学は日本の音楽シーンをクリエイティブに彩っていく。

おそろしいぐらいの良質なセンスに貫かれたサディスティックミカバンド(後で振り返るとすごいメンツ)を経て、美しさの集大成ともいえる「パパ・ヘミングウェイ」を完成させる。

ビューティフルなひと加藤和彦氏 永遠に。



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コメント / トラックバック1件

  1. 浜本清孝 より:

    加藤和彦様のこと良く知りません もっと分りたいです。